絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅲ
 来ないと見透かされて言っていると思うと、嫌になる。
「……」
 返す言葉はない。
「なるべく、連絡する」
 そんな程度で……! と思ってしまったせいで、返事をしそびれた。
 巽は、そのままこちらのどんな返事も待たずに、ドアを開け、1人ホテルのスィートルームから出て行く。
 結局、食事をして、セックスをしただけ。そしてまた、2ヶ月もの間、置き去りにされる……。
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