絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅲ
「え、あー、そうだ。入社式にいたんだよね、多分、私全然覚えてないけど(笑)」
「うん、でも僕覚えてたよ」
「え―――――――、何で早く言ってくれないの! 今気づいたし!」
「いやだって(笑)、同期なんだから一緒に入社式出てるよ、当然(笑)」
「や、そうだけど……。そうか、あんま同期って感じしないし……成瀬さん、大人だしねえ。彼女とかいないんですか?」
「いるよ、普通に」
成瀬はどこも見ずにさらっと答えた。
「どんな人、どんな人?」
「んー、普通の人」
「それが一番難しい」
「うんそう、僕もそう思う」
一瞬、成瀬がいつもと違う笑みを見せ、ああ、この人もこういう顔をする時があるんだなあと初めて知った。
「……あのさあ、城嶋さんってさあ……」
なんだかこちらが恥ずかしくなり、城島がいないことがふと目に入って、突然小声でその話にもっていった。
「プライベートって、どんなのかな」
「さあ……、独身。くらいしか知らない。女の影も全くないね」
「だよねえ……。仕事人間で結婚しそびれたのかなあ……。結構もてそうなのにね」
「え゛ー、そう?」
「うん、そんな悪くないと思うよ」
「へー。香月さんのタイプってああいう人?」
「いや、一般的に悪くないって感じ。私のタイプは……、そうだな。うーん、とりあえず頭いい人」
なぜか頭にユーリが浮かぶ。
「うんうん、納得」
「そんでぇ……うーん……」
「外見は?」
「あんまりマッチョとかは嫌だけど(笑)、鏡見て筋肉作ってるような人は嫌かな(笑)」
「わりと誰だっていやだと思うよ(笑)、二課の斉藤さん(笑)」
「実名出ましたー(笑)」
成瀬の爆弾的発言に香月はテンションがグッと上がった。
「オーダーメイドのスーツもあそこまできたら、なんか変な衣装って感じですもんね!」
「僕ね、初めて見たときすごく違和感感じてね、何で変なんだろうって、しばらく見て気づいたんだ、スーツがおかしいって!」
「(笑)、絶対となりの女の子嫌がってますよねえ(笑)」
「それが一時期付き合ってるって噂があってね」
「え―――――――――――――!」
「うん、でも僕覚えてたよ」
「え―――――――、何で早く言ってくれないの! 今気づいたし!」
「いやだって(笑)、同期なんだから一緒に入社式出てるよ、当然(笑)」
「や、そうだけど……。そうか、あんま同期って感じしないし……成瀬さん、大人だしねえ。彼女とかいないんですか?」
「いるよ、普通に」
成瀬はどこも見ずにさらっと答えた。
「どんな人、どんな人?」
「んー、普通の人」
「それが一番難しい」
「うんそう、僕もそう思う」
一瞬、成瀬がいつもと違う笑みを見せ、ああ、この人もこういう顔をする時があるんだなあと初めて知った。
「……あのさあ、城嶋さんってさあ……」
なんだかこちらが恥ずかしくなり、城島がいないことがふと目に入って、突然小声でその話にもっていった。
「プライベートって、どんなのかな」
「さあ……、独身。くらいしか知らない。女の影も全くないね」
「だよねえ……。仕事人間で結婚しそびれたのかなあ……。結構もてそうなのにね」
「え゛ー、そう?」
「うん、そんな悪くないと思うよ」
「へー。香月さんのタイプってああいう人?」
「いや、一般的に悪くないって感じ。私のタイプは……、そうだな。うーん、とりあえず頭いい人」
なぜか頭にユーリが浮かぶ。
「うんうん、納得」
「そんでぇ……うーん……」
「外見は?」
「あんまりマッチョとかは嫌だけど(笑)、鏡見て筋肉作ってるような人は嫌かな(笑)」
「わりと誰だっていやだと思うよ(笑)、二課の斉藤さん(笑)」
「実名出ましたー(笑)」
成瀬の爆弾的発言に香月はテンションがグッと上がった。
「オーダーメイドのスーツもあそこまできたら、なんか変な衣装って感じですもんね!」
「僕ね、初めて見たときすごく違和感感じてね、何で変なんだろうって、しばらく見て気づいたんだ、スーツがおかしいって!」
「(笑)、絶対となりの女の子嫌がってますよねえ(笑)」
「それが一時期付き合ってるって噂があってね」
「え―――――――――――――!」