スキャンダル・ラヴ
ディステニー
「はぁ、…またか。」
ため息をつきながら歩く…
突き当たりまで続く、
大きな窓を眺めながら。
こんなの、いつもの光景じゃん。
あたしのクラスでは
いじめが当たり前。
もともと友達がいなかったあたしには
標的になる番がやってくることは
わかっていた。
けど…そうなってみると、
結構ツライもんだな。
だったらいじめでクラスメイトに
話しかけられるよりか、
ずぅっと1人ぼっちの方が
よっぽど良い。
「着いたー。」
購買に着いたときには、
もう足が重くて1歩が踏み出せない。
でも、あたしはいじめにあって
ひょいひょいパシられてるからって
負け犬だと思わない。
いつかあたしがいじめる側じゃなく、
有利な立場に立ったとき、
上をしきってるやつらに
何かしら恥をかかせてやろうと思う。
って、無理か…。
「やきそばパンに、いちごジャムパン、
クリームパンに…っと。」
あたしはいつも自分の分を買わない。
この学校は有名私立校で、
なんの経費に関しても
高値で売られているのだ。
無論、あたしの分まで
買う予算なんか残されてないんだ。
「おばちゃん、お願い。」
「はいよッ」
だけど、あたしは雑誌とか
好きなアイドルやらファッションに
興味がないから
お金なんて、有り余ってる。