スキャンダル・ラヴ
「あっちぃーなあ」
「すみません!
校内中のエアコンが壊れてしまって…」
「ここだけでもすぐ直させろ!!」
「常連業者に頼みましたが、
すべての器具を修理に出してるそうで…」
「ふざけてんのか?クソ野郎!!!
何かしたくても、このクソ暑い中
なにも出来ねえっつーんだよ!!!」
クソ…イライラがとまんねぇ…
「なにするの?」
「お~、陽向(ひなた)
どこ行ってたんだよ」
「いじめられっ子ちゃん探し」
「お前、趣味 悪いな…」
「漣(れん)に言われたくないけどね」
どいつもこいつも俺を
上からで見やがる…正直、
そっちに対してもイライラがとまらねぇ
まぁ、幼馴染の麻山(あさやま)陽向を
敵に見たりなんかはしないけど。
俺と陽向は親父が有名で
金持ちだから、この特設教室で
高校生活を送ってる。
それにしても、この学校の設備は
どうなってんだよ。
こっちまで故障とは、
ぜってぇ俺にはむかってる…
「んで、漣はなにしようとしてたの?」
「…べつに、なんでもねえよ」
「ふ~ん?」
「あ~!もう!だから、
なんでもねえって!!!」
「はいはい。
西城さん、漣はなんでこんなに
イライラしてんの?」
「エアコンの故障で…
少々暑いらしい…みたいで…」
「少々じゃねぇ!!すっっごくだ!!!」
「す、すみません!!!」
調子狂う…。
「あはははっ」
「とっ、ところでよ…
いじめられっ子は見つかったのかよ」
「あ~。1年生の教室ぜんぶ回ったけど、
いなかったし、教えてくれなかった」
「お~…そうか。
じゃあ俺、この部屋クソ暑いし
久しぶりに外の空気吸ってくるわ」
「いってらっしゃ~い」