【完】校内1のイケメンに恋をした!!
……龍輝さん、やっぱり私に怒ってるのかも…。
「あ、あの…、ごめんなさい…」
「何が?」
「えっと…ぜん、ぶ…?」
「………」
うぅ…ますます怒った顔…。
「…お前さ、俺と一緒は嫌?」
「そ、そんなことないですけど…」
「けど?」
「…龍輝さんの気持ちが、よくわからないんです」
「は? 俺の気持ち?」
怒った顔が一変、きょとんとした顔で私を見る龍輝さん。
なんとなく言いづらかったけど、でもこのまま過ごしていくのは嫌だったから、真っ直ぐ龍輝さんを見たまま言葉を続けていく。
「…龍輝さんが何を考えてるのか全然わかんなくて、不安なんです。
会って話すこともメールや電話で話すことも無くて、龍輝さんが何をして過ごしてるのか、全然知らなくて…。
私、本当に彼女なのかな?とか…、私は要らない人間なのかな?とか…、色々考えてしまうんです」
……龍輝さんに近づけたはずなのに、今でも龍輝さんは遠い存在に思える。
龍輝さんの気持ちがわかんなくて、不安なんだ…。
「…ごめん、不安にさせてると思わなかった」
龍輝さんの声が静かに響く。
「…ちょっとだけ言い訳させて。
俺な、自分から連絡すんの苦手なんだ。
なんかこう、拒否られんのが怖いっつーか…迷惑になってたら嫌だな、とか思って。
だからお前からの連絡を待っちまった。
お前からメールが来れば、俺が迷惑かけることはないだろうなと思ってたからさ」
もう一度深いため息の後、龍輝さんの瞳が私をとらえる。
「ごめんな」
それだけを言った龍輝さんは、ゆっくりと席を立って歩き出す。
「…っ…龍輝さんっ…」
だから私は、その龍輝さんの手を握って引き寄せた。