【完】校内1のイケメンに恋をした!!
龍輝さんの体が離れる。
それと同時に、はぁ〜あ、と深いため息。
「あ、あの…龍輝さん…?」
…もしかして、怒って、る…?
「…ごめん、やり過ぎた。
送るから準備して? 先に外出てる」
「あ……はい…」
…もう一度息を吐いた龍輝さんは、私の顔を見ることなく、それ以上声をかけることもなく、ひらひらと手を振って部屋を出ていった。
「龍輝さん…」
私の気持ち…想いを伝える前に、龍輝さんは行ってしまった。
…そして、
外に出てからの私たちは、何も話さなかった。
龍輝さんは私の4歩前を歩き、チラリとも振り返らない。
だから私は何も言えなかった。
ううん…、声をかけるのが怖かった。
言葉をかけた瞬間、すべてが終わってしまうような、そんな気がしていたから…。
……。
「じゃあな」
…昨日と同じ場所で別れる私たち。
龍輝さんはいつもと同じように笑ったけれど、私はやっぱり上手く言葉が出せなくて…、ただただ、小さく頷くだけだった。