【完】校内1のイケメンに恋をした!!


「あははっ、龍輝くんっておもしろーい」


「…っ……!?」


…女の子の声…。

それが、段々と近づいてくる。


咄嗟に、荷物を持って逆方向へと向かって隠れる。


…そのすぐあと、

女の子二人と一緒の龍輝さんが見えた。


…女の子たちは龍輝さんにベタベタで、楽しそうに笑ってて…、
当の龍輝さんも、楽しそうに笑ってて表情も明るい。




「でもさぁ、私たちココに入っちゃってよかったの?
ココってほら、四聖獣の場所じゃん? 怒られたりしない?」

「あー?別に怒る奴居なくね? そりゃあ俺らが陣取ってるけど。
でも“入っちゃダメ”なんて誰も言ってねーし」

「じゃあこれからも来ていいー?」


「おー。いいんじゃね」

「わ、やったぁ。ありがと龍輝くん!」




……キャッキャッとはしゃぐ女の子たち。

私は物陰から動くことが出来なくて、楽しそうな彼女たちの声を静かに聞いていた。




「あ、そういえばさぁ、健吾くんとあのすっごい可愛い1年の子、付き合うんだってね!
もぉみんなの噂になってるよー!」


…優ちゃんのことだ。

早いなぁ、もう知られちゃってるんだ。


「最初はみんな龍輝くんとあの子のこと噂してたけど、あの子ほんとは健吾くんのことが好きだったんだね」

「あー…うん。
つーか俺と噂になること自体おかしいだろ」


苦笑してるらしい龍輝さん。

うんうん、優ちゃんは龍輝さんの妹だもんね。
だから龍輝さんからすればアリエナイコト。


まぁ、何も知らない人からすれば噂になって当然だろうけど。




「でもさぁ、健吾くんには悪いけど、私はあの子と龍輝くんが付き合ってくれたらなぁって思った。
美男美女、お似合いのカップルじゃん?」

「だよねぇー。あれ見たら誰も文句言えないよ」


ドキッ....


女の子たちの声に体が硬直する。


美女。


私には絶対使われない言葉…。

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