【完】校内1のイケメンに恋をした!!
ドクン ドクン ドクン....
なんで…? どうして龍輝さんが…?
女の子たちと行ったはずじゃ…?
それに、「お前」って…。
「真由」
「…っ……」
…間違いじゃない。
龍輝さんは、「私」に気付いてる…。
「………」
そっと顔を出してみる。
…龍輝さんは、いつもの場所で空を見上げていた。
その状態のまま、ポンポンっと地面を叩いて隣に座るよう促してる。
だから私は、緊張しながらもそこへ向かって腰を下ろした。
「………」
「………」
…会話は無い。
龍輝さんは空を見たままで、私は地面を見続ける。
そんな時、ふと龍輝さんの体が動いた。
「今日はもう、このままサボるか」
仰向けにゴロンとなった龍輝さん。
いつもと変わらない声に、いつもと変わらない笑顔。
その顔が、苦笑いへと変わっていく。
「なんか俺、カッコわりぃよな。
お前の昔の男に嫉妬して、それでお前を避けるような感じになって…。
…誰にだって“過去”があるってわかってんだけどさ、なんか、上手く受け止められなくて。
俺の知らないお前が居るのが嫌っつーか、悔しいっつーか…。
……やっぱ上手く言えねぇ。 とにかく、ごめん」
たくさんの言葉を一気に並べた龍輝さんは、体を半分だけ起こして私を見る。
「こんな俺でも、いいか?」
ドクン ドクン ドクン....
真っ直ぐな龍輝さんの言葉に、鼓動が一気に速まっていく。