【完】校内1のイケメンに恋をした!!
優ちゃん? と、振り返ったけれど…、
…振り返らなければよかった。と一瞬にして後悔した。
…振り返らなかったら振り返らなかったで、何を言われるかわかったもんじゃないけれどね…。
「…おはよう、ございます…」
「おはよう、加藤さん」
そこには、茶髪を盛りに盛ったケバい女の人…。
“次に何かあったら、あんたたちのこと絶対許さないから。”
その言葉を鮮明に思い出す。
あの時の、リーダーの人だ…。
私はこの人の名前を知らないけど、私の名前は知られているらしい…。
取り巻きは居なくて、私と彼女1対1で向き合っている。
…緊張と不安、そして恐怖で体がガチガチになり、上手く動かない。
「この前は、あんなこと言ってごめんね」
「…えっ?」
…だけど私の気持ちとは裏腹に、彼女の表情はビックリするくらい柔らかい。
「あそこは四聖獣の場所だけど、四聖獣だけの場所じゃないもんね」
にっこりと、本当に優しそうな顔…。
…体育館裏のあの場所は、少し前までは「四聖獣」の場所だった。
だけど今は、たくさんの人たちが優ちゃんと健吾さんを見に来る。
だからゆっくりお昼ご飯を食べることもままならない状態…。
あそこは今、「四聖獣」の場所でありみんなの場所でもある。
「たくさんの人が居て、みんながみんな楽しそうに笑ってて…、
……ほんっと、ムカつくよね」
…え…?