【完】校内1のイケメンに恋をした!!
その声の主は、仕切りのカーテンを半分開いて微笑んだ。
キャーッと更に騒がしくなる教室内。
だけどその人は、そんなの全然気にしないで私を見てる。
「来いよ真由」
「…っ……」
…龍輝さんが、私を…、私だけを見て微笑んでいる…。
「優、健吾を置いてくからテキトーに使っとけ。
その代わり、コイツは俺が貰ってく」
「あはは、りょーかい“お兄ちゃん”」
おどけたように笑う優ちゃんと、どこか呆れ顔の龍輝さん。
短いやり取りの後に、龍輝さんが私の肩を抱く。
「…学園祭、一緒に回るって言っただろ?」
「で、でもっ…私まだ仕事がっ…」
「だから。 健吾を置いてくからお前は来い」
「…っ……」
その状態のまま、裏方から表へ。
予想通り…、ううん、予想以上のざわめきと鋭い視線…。
「…龍輝さんて、あの子が好きだったの?」
「うそぉっ…あんな子が? 信じらんない…」
「もしかして龍輝さん、騙されてるんじゃないの?」
…その人たちはひそひそ話してるつもりだろうけど…、はい、全部丸聞こえです…。
と、その時。
「ごちゃごちゃと、うるせぇなぁ」
なんとなく冷たい感じのする龍輝さんの声に、会場は一気に静まり返る。
「別に俺、騙されてないから。
つーか、マジでコイツに惚れてるし」
ひそひそ話してた女の子たちを見ながら、龍輝さんは言う。