【完】校内1のイケメンに恋をした!!
「好きな女と学園祭を回る。別に変なことじゃねーだろ?
俺はコイツが好きだ。 だから一緒に居るんだよ」
ハッキリそう言った龍輝さんは、私の肩を抱いたまま教室を出た。
…教室からは黄色い声と悲鳴が聞こえてきたけれど、龍輝さんはやっぱり何も気にしてない顔。
「龍輝さんっ…どうしてこんなことっ…」
「どうしてって。 そりゃあお前に会いたかったからだよ」
「でも、何もこんな風にしなくてもっ…!!」
「あーわかったわかった、俺が悪かったよ。
でも今更喚いたって仕方ないだろ?」
「それは…、そうですけど…」
「だったらもう諦めろ」
……でも、たくさんの人の前であんなこと言うなんて、私の方が恥ずかしくて死にそうだったよ…。
「…無茶させてごめんな?」
「…もういいですよー…。 今更言ったって、仕方ないことですし…」
頬っぺたを膨らませて言った私に、龍輝さんはふっと優しい顔で笑った。
「なぁ真由。 あちこち回る前に行きたい場所があるんだ。
まずはそこに行っていいか?」
「え? 行きたい場所?」
「あぁ。俺らの場所だよ」
…それって、もしかして…、体育館裏?