【完】校内1のイケメンに恋をした!!
……。
司会者の人が色々な説明をしている中、続々と舞台上に人が集まる。
好きな人に想いを打ち明けようとする人、恋人へ愛のメッセージを送ろうとする人…、
たくさんの人とたくさんの想いがそこに集まってる。
「龍輝、行かないの?」
舞台を指差す大雅さんに、龍輝さんは笑う。
「例の女を見つけたら行く」
……と言うことで、私たちは校舎に近い場所から舞台を見つめた。
…けど、「四聖獣」が全員集まってるのは当然目立つわけで。
「ねぇちょっと!四聖獣来てるよ!!」
「わぁっ。みんな揃ってるなんて久しぶりじゃん!!」
…そんな声があちこちから聞こえ始め、周りはあっという間に人だらけになった。
…そして私は、
「…っ……」
たくさんの人に揉みくちゃにされながら、みんなと離れてしまった。
『静かにしてくださーい!始めますよー!』
司会者の声に、場はなんとか静かになるけれど…、龍輝さんたちの姿は見えない。
相変わらず人は多く、探しに行くのは不可能な状態…。
だから私は、さっきの場所からは随分離れてしまった位置で舞台を見つめるしか無かった。
…そして、気付く。
舞台の上に、あの3年生が居る…。