【完】校内1のイケメンに恋をした!!
「こんな肝心な時に行方不明になるなんて、真由ちゃんってある意味天才じゃない?」
…いつもみたいにけらけら笑う大雅さん。
「龍輝の想い、全部受け止めてやりな?」
…力強く、温かな笑みで私を迎える健吾さん。
そして…、
「真由」
…朔也さんが私の手を取って舞台へと引き上げる。
「俺たちがそばに居る。 だから大丈夫」
私にだけ聞こえるように言った朔也さんの言葉に、胸が熱くなる。
…朔也さん。
ありがとう…。
「優ちゃん、大雅さん、健吾さん、朔也さん…。
みんな、ありがとう…」
涙が出そうになるのを堪えながら笑顔を見せ、舞台に上がる。
「真由」
そこで待っていた龍輝さんが、私をスッと引き寄せる。
…その瞬間、会場は歓声とざわめきと悲鳴とが入り交じった。
予想していた通りの、…ううん、予想を遥かに越えた、鋭くて冷たい女子の瞳。
それを見て感じた瞬間、咄嗟に龍輝さんから離れようとしたけれど…、
「…いいから、ここに居ろ」
…耳元でささやかれた、甘くもあり力強くもある言葉に体が止まる。
…ううん、正確には、龍輝さんの腕が私を止めた。
「…俺は、お前が好きだ」
その言葉は、
私の耳元で私にだけ放たれた。
龍輝さんの真っ直ぐな想い…。
真っ直ぐな、愛…。