【完】校内1のイケメンに恋をした!!


あぁ…、大雅さん一人が移動してきただけでも周りの視線が凄い…。

やだな…もうほんとに、帰りたい…。




「私、急用が出来たんですー…」


なんとか逃れられないものか、と動くけど、大雅さんは「嘘言わないの」と笑う。


「て言うか、逃げたら龍輝にバラすよ?」

「…っ……」


どことなく冷たくて、脅しに似た笑み。
そんな風にするなんてズルい。


…でも。

今日の私は、いつもの私じゃないんだ。


「…あの、大雅さん。 さっき女の子と喋ってましたよね?
私じゃなくて、その子誘って映画を見ればいいんじゃないですか?」


さっき見た光景を思い出しながら、私の中での最高級の黒い笑顔で大雅さんを見る。

でも大雅さんは、そんな私を見てニコニコ笑う。


「おー、今日は反撃?
あぁわかった、さっきの子に嫉妬して帰るとか言ったんだ?
大丈夫だよ、あの子は別になんでもないから」

「べ、別に嫉妬なんてしてませんから!!」


「あはは、いいねぇ。 やっぱり真由ちゃん可愛いなぁ。
あんな馬鹿やめて、俺の女になりな?」

「ちょ、ちょっと大雅さんっ!!」


なっ…、
なんで抱きついてくんの…!?


「や、ちょっと…! 離してくださいっ!!」

「やだー。 離したら帰っちゃうじゃん」

「…っ……」


こんなところで抱き締めてくるなんて、アリエナイ…!

いっぱい人が居るのに!!
龍輝さんだって見てるのに…!!




「大雅さんっ…!!」


なんとか逃れようと、もう一度名前を呼んだ時…――、




「…お前、やりすぎ」




――…大雅さんの体があっという間に離れ、それとほとんど同時にドカッという良い音が響いた。




「痛っ…。 ちょっ、龍輝!! 蹴ることないじゃん!!」

「蹴られるようなことをしなきゃいいだろ」


じろり、私を見る龍輝さん。


ひゃあっ…龍輝さんのドアップ…!!

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