【完】校内1のイケメンに恋をした!!
「真由、大丈夫か?」
「は、はいっ…」
顔がカーッと熱くなる。
ヤバい、キスしちゃいそうなくらい近いんですけどっ…!!
「…龍輝も人のこと言えないと思うけどね」
ふ、と視界に入ったのは黒のジャケット。
これって…十朱さん?
「大丈夫?」
「あっ…、はい…」
私と龍輝さんの間に入った十朱さんは、面倒くさそうな顔をしながら息を吐く。
「なんだよ朔也。 俺なんかした?」
「…いや、わかってないならいいけど。
とにかく移動しない?映画の時間とか、あるだろ」
「ん? あぁそうだな、行くか」
十朱さんの冷静な一言に促され、全員が動き出す。
……。
龍輝さんと大雅さんは何かを楽しそうに話し、その後ろでは優ちゃんと武蔵野さんが手を繋いで歩いてる。
優ちゃんの方から武蔵野さんの手を握ったように見えた。
…凄いなぁ。
私も優ちゃんくらい積極的になれたらいいのに。
……でも、私があんな風に龍輝さんの手を握ったら、やっぱり引かれちゃうかな?
優ちゃんと武蔵野さんは初めから良い雰囲気だけど、私と龍輝さんはそんなことないしなぁ…。
「ねぇ」
(え…!?)
ドキッと心臓が鳴るのと同時に、隣に十朱さんが居ることに気が付いた。
「あっ…ど、どうしたんですか?」
…十朱さんから話しかけてくるなんてそうそう無い。
だから、緊張して体がガチガチ…。
そんな私の状態を知ってか知らずか、十朱さんはふっと小さな笑みを浮かべた。
初めて見る、十朱さんの笑顔…。
ビックリするくらい爽やかで、ビックリするくらい綺麗な瞳。
「龍輝のこと、好き?」
ドキン
予想してなかった言葉に、体の緊張が更に高まる。