【完】校内1のイケメンに恋をした!!


……。


中に入ると、半分くらいの人が席に着いていた。

その中で優ちゃんたち3人を見つける。

優ちゃんの隣に武蔵野さん、その武蔵野さんの隣に龍輝さん。


龍輝さんは腕を組んで目を閉じて座ってて、私たちには気付いていない。

その中で、真っ先に気付いた優ちゃんが私たちに駆け寄ってくる。




「真由ちゃんっ…龍輝さんのこと、よかったの?」

「んー…もう座っちゃってるし、今更ね…」

「私たち移動しよっか?」

「いいよいいよー私は向こうに座るから」


龍輝さん、嫌がってるみたいだし…。
私は素直に向こうの席に座った方がいいよね…。


「大雅」


そこへ、両手に飲み物を持った武蔵野さんがやって来た。


「売り場は混むから自販機で買っといた。
大雅はコーラ、朔也はコーヒー、真由ちゃんはオレンジジュースでよかった?」

「あ、すみません、ありがとうございます」


「席取れなくて悪かったな。
龍輝の隣がいいだろ?俺たち移ろうか?」

「いやいやいやっ武蔵野さんまでそんなこと言わないでください!
私は向こうで大丈夫ですから!」


…って、もしかして武蔵野さんも私が龍輝さんを好きだって気付いてる?

うぅ…私って、そんなにわかりやすい態度だったかなぁ…。




「んー…まぁ、いいならいいけど。
あぁ俺のこと健吾でいいよ?俺も真由ちゃんって呼んでるし」

「あ、はい!」

「んじゃ席戻るわ。終わったら出入口に集合な」


ひらひらと手を振り、大きな体が人混みを通り抜けていく。




「ほんとにいいの?」


優ちゃんは最後まで心配してたけど、私は「うん」と頷いて笑顔を見せた。

< 75 / 211 >

この作品をシェア

pagetop