【完】校内1のイケメンに恋をした!!
……。
中に入ると、半分くらいの人が席に着いていた。
その中で優ちゃんたち3人を見つける。
優ちゃんの隣に武蔵野さん、その武蔵野さんの隣に龍輝さん。
龍輝さんは腕を組んで目を閉じて座ってて、私たちには気付いていない。
その中で、真っ先に気付いた優ちゃんが私たちに駆け寄ってくる。
「真由ちゃんっ…龍輝さんのこと、よかったの?」
「んー…もう座っちゃってるし、今更ね…」
「私たち移動しよっか?」
「いいよいいよー私は向こうに座るから」
龍輝さん、嫌がってるみたいだし…。
私は素直に向こうの席に座った方がいいよね…。
「大雅」
そこへ、両手に飲み物を持った武蔵野さんがやって来た。
「売り場は混むから自販機で買っといた。
大雅はコーラ、朔也はコーヒー、真由ちゃんはオレンジジュースでよかった?」
「あ、すみません、ありがとうございます」
「席取れなくて悪かったな。
龍輝の隣がいいだろ?俺たち移ろうか?」
「いやいやいやっ武蔵野さんまでそんなこと言わないでください!
私は向こうで大丈夫ですから!」
…って、もしかして武蔵野さんも私が龍輝さんを好きだって気付いてる?
うぅ…私って、そんなにわかりやすい態度だったかなぁ…。
「んー…まぁ、いいならいいけど。
あぁ俺のこと健吾でいいよ?俺も真由ちゃんって呼んでるし」
「あ、はい!」
「んじゃ席戻るわ。終わったら出入口に集合な」
ひらひらと手を振り、大きな体が人混みを通り抜けていく。
「ほんとにいいの?」
優ちゃんは最後まで心配してたけど、私は「うん」と頷いて笑顔を見せた。