【完】校内1のイケメンに恋をした!!
ただ座って携帯をいじってるだけなのに凄く“さま”になってて、周りの人みんなが龍輝さんを注目してる。
声をかけるのは、勇気がいるけれど…、でもここまで来たのにそのまま中に戻るなんてしたくなかった。
だから、そっと龍輝さんの近くに行く。
「龍輝さん」
「え? なんで…」
私に気付いた龍輝さんは、凄く凄く驚いた顔をした。
「…まだ映画やってんだろ、どうした?」
「龍輝さんこそどうしたんですか?
見たいって言ってたのに、こんなところで携帯なんかいじって」
“いつも通り”を意識して笑顔を見せる。
龍輝さんにとったら、私が声をかけることは迷惑だったかもしれないけど…でも、このまま放っとくなんで出来ないよ。
「あー…そりゃ、見たい映画だし楽しみにしてたけどな…」
口元に手をやり、また携帯を見る龍輝さん。
歯切れの悪い言葉に私の頭には はてなマーク が並んでいく。
「龍輝さん?」
どうしたんですか? と、また言おうとした時、バチッと視線がぶつかった。
「…お前が隣に居ないから、楽しくねぇんだよな」
え?
え、ちょっとそれって…。
……でも待って、だって龍輝さんは…。
「…あの、私の隣は嫌だって思ってたんじゃないですか…?」