【完】校内1のイケメンに恋をした!!


ただ座って携帯をいじってるだけなのに凄く“さま”になってて、周りの人みんなが龍輝さんを注目してる。

声をかけるのは、勇気がいるけれど…、でもここまで来たのにそのまま中に戻るなんてしたくなかった。

だから、そっと龍輝さんの近くに行く。




「龍輝さん」

「え? なんで…」


私に気付いた龍輝さんは、凄く凄く驚いた顔をした。




「…まだ映画やってんだろ、どうした?」

「龍輝さんこそどうしたんですか?
見たいって言ってたのに、こんなところで携帯なんかいじって」


“いつも通り”を意識して笑顔を見せる。

龍輝さんにとったら、私が声をかけることは迷惑だったかもしれないけど…でも、このまま放っとくなんで出来ないよ。




「あー…そりゃ、見たい映画だし楽しみにしてたけどな…」


口元に手をやり、また携帯を見る龍輝さん。

歯切れの悪い言葉に私の頭には はてなマーク が並んでいく。




「龍輝さん?」


どうしたんですか? と、また言おうとした時、バチッと視線がぶつかった。






「…お前が隣に居ないから、楽しくねぇんだよな」


え?


え、ちょっとそれって…。

……でも待って、だって龍輝さんは…。




「…あの、私の隣は嫌だって思ってたんじゃないですか…?」

< 78 / 211 >

この作品をシェア

pagetop