【完】校内1のイケメンに恋をした!!
…きっと私、いま一生分の運を使ってる。
でも、それでもいい。
今だけだとしても、龍輝さんの隣に居られるのなら…――、
「うわ、やっぱりこっちも混んでるな」
「へっ?」
――…龍輝さんの声で、ハッと我に返る。
映画館の隣にあるゲームセンター。
これから映画を見るだろう人が待ち時間を利用して来ていたり、
逆に見終わった人が帰りに遊んでいたり。
もちろん、休日だから友達や恋人と遊びに来てる人も居る。
いつの間にか私たちは、ゲームセンターへと辿り着いていた。
「わ…ほんと、凄い人…」
どこを見ても、人、人、人…。
「お前さぁ、人形とか好き?」
「え? なんでですか?」
「いやぁ、ああいうの取ったら喜ぶかなと思って」
視線の先にあるのは…、おっきなウサギの人形。
赤ちゃんよりもおっきなその人形を取ろうと小学生くらいの女の子が悪戦苦闘してる。
そのうち、その子は諦めてどこかへ行ってしまった。
「…え、アレが取れるんですか!?」
「んー? まぁ取れたらいいな、と思って」
言いながらポケットを探り、小銭を掌に広げる。
その中から数枚の100円玉を取り、機械に入れる。
楽しげな音楽と共にUFOキャッチャーのアームが動き、そして…、
「わっ…」
…人形が台から落ちた。
これって、人形ゲットってこと…!?