【完】校内1のイケメンに恋をした!!
「ははっ、やった」
「わあっ。龍輝さん凄い!!」
ウサギの人形を持って笑顔でピースする龍輝さん。
初めて見るそんな姿がなんだか可愛くて、思わず笑ってしまった。
「あ、でもごめん。これ別の奴にやるわ」
「へっ?」
龍輝さんの柔らかな視線が、私の隣に移動する。
あ…さっきの女の子。
私たちを悲しそうな顔で見てる女の子に、龍輝さんは人形を差し出した。
「お前にやる。欲しかったんだろ?」
「えっ…? でも、それはお兄ちゃんが…」
「いいよ、俺はまた取るから。
だからこれはやる。特別だぞ?」
「…うんっ、ありがとう!!」
パァッと輝く女の子の顔。
それを見て、もっと輝く龍輝さん。
素敵だな…。
凄く凄く、カッコイイ…。
「お兄ちゃんありがとう!!バイバイ!!」
女の子は人形を抱えながら元気に手を振り、お母さんのところに戻っていった。
女の子から事情を聞いたらしいお母さんは何度も何度も頭を下げ、
龍輝さんはそんなお母さんに「いえいえ〜」と手を振ってまた笑顔。
二人の姿が見えなくなるまで見送った龍輝さんは、私を見てふっと笑った。