無題
その奥から
「あぁ、ごめん。こっちも整理しなきゃいけないからさ…」
すこし頼りない声が返ってくる。
「千早の部屋の整理より、引越しする私の整理を優先すべきだと思うけど!」
そのすこし弱々しい声を強めの口調で女性が遮る。
「ごめんってば…そんなに怒らないでよ、百花。」
その弱々しい声の主ーー東条 千早は眉尻をすこし下げて申し訳なさそうな顔をした。
「まあいいよ!許してあげる!…ところでさ、何みてるの?」
女性ーー東条 百花は、座り込んで熱心に何かを見てる弟を腰を曲げて覗き込んだ。
「うん…それがさ、押入れの奥からこんなものがでてきたんだけど…これなにかな?」
千早は40センチ程の木箱を裏返したり振ったりして不思議そうに眺めている。
その箱は表面に桜の模様が描かれていた。
どこにでもありそうな桜模様だが、どこか不思議な魅力がある。
「あぁ、ごめん。こっちも整理しなきゃいけないからさ…」
すこし頼りない声が返ってくる。
「千早の部屋の整理より、引越しする私の整理を優先すべきだと思うけど!」
そのすこし弱々しい声を強めの口調で女性が遮る。
「ごめんってば…そんなに怒らないでよ、百花。」
その弱々しい声の主ーー東条 千早は眉尻をすこし下げて申し訳なさそうな顔をした。
「まあいいよ!許してあげる!…ところでさ、何みてるの?」
女性ーー東条 百花は、座り込んで熱心に何かを見てる弟を腰を曲げて覗き込んだ。
「うん…それがさ、押入れの奥からこんなものがでてきたんだけど…これなにかな?」
千早は40センチ程の木箱を裏返したり振ったりして不思議そうに眺めている。
その箱は表面に桜の模様が描かれていた。
どこにでもありそうな桜模様だが、どこか不思議な魅力がある。