肉塊-にくかい-
ハンバーグ
「うげ!何、この大量の肉!」
いざ、慎の家に行ってみれば、テーブルの上に大量の挽肉が置かれていた。
「…超安かったから、衝動買いしちゃった」
「主婦か、お前は」
ってか、挽肉って…。
「俺、秀樹から肉パって聞いたから、てっきり焼き肉かと思ってたんだけど」
「あー、俺もそのつもりだったんだけどなー。挽肉の安さに負けたぜ!」
「そんで…、これ、どうすんの」
「ハンバーグにする。時ちゃんも手伝えよッ」
馴れ馴れしく俺の肩に慎が腕を回してきた。
「仕方ねーな。けど、俺、料理全然出来ないんだけど」
「大丈夫だって!」
仕方なく、二人でテーブルの挽肉をキッチンへ移動させた。
もー…、生臭い。
「じゃ、時ちゃんは玉ねぎをみじん切りにしてよ」
「わ…わかった」
俺は渡された玉ねぎを手に取り、皮を剥がして水で濯いだ。
まな板に玉ねぎを置き、包丁を入れた。
「はは、時ちゃん、そんなに緊張しなくても…」
「話しかけんな!刺すぞ」
「…すんません」