the second 〜永遠の恋人〜
『余計な事言わないで。帰るわよ』

『はいはい』

紗耶香に手で追い払われるように出て行った男を目で追いながら尚人は黙り込んでしまった。

『気にしないで。お互いの事はノータッチね』

『うん…もちろん』

妙に寂しい気分だった。

さっき初めて口を聞いたばかりの紗耶香が田舎に帰ってしまうと言うのが寂しいと思ったし、自分よりもさっきのドレッド男が紗耶香の事に詳しいのも当たり前だが寂しかった。

そんな事を考えながら互いに無言でいると、音も立てずに別の男がテーブル脇にやってきた。

今度は頭髪を剃り上げたピアスだらけの無表情が恐ろしい。両腕にはびっしりと無数の刺青が施されてあった。
< 101 / 262 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop