the second 〜永遠の恋人〜
『もしもし?』

『あ、あの…仲村樹さんの携帯ですか?』

『そうですけど樹は寝てますよ。起きそうにないわ』

『あの…私、仲村君と同じスキー部の藍原と申します』

見知らぬ女性の声に戸惑いながら言葉を続けた。

『ああ!藍原未音さん?樹から何時も聞いてますよ、息子がお世話になってます。ちょっと待ってね叩き起こしてくるから』

『あ、あの、いいんです。昨夜樹君かなり酔ってたから大丈夫だったかなって思って』

相手の女性が樹の母親だと分かった未音は何だかホッとした。

何時も仲間で遊んでいる樹に見知らぬ女性が居たとなると少々面白くない。

別に樹の事が好きな訳ではないが、元々独占欲が強いのかもしれなかった。

『あらあら、心配かけてごめんなさいね。でもほら、クラブの先生…誰だったかしら結構イイ男の…』
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