the second 〜永遠の恋人〜
『ホントだよ、お前早く紗英ちゃんに告白しないとどっか行っちゃうぞ』

『…俺は今のままでいいよ』

『…』

結局樹も康太と同じであった。

みんな今の微妙なバランスが気に入っているのだ。

だからこその緊張感もあるし期待感もある。

いざ愛し合ってしまうと残るのは、何時裏切られるか、どうやって相手の心を繋ぎ止めるかのマイナスのベクトルしか残らない。

『まぁ樹が良いんなら別に俺は関係ないけど。でも紗英ちゃんはお前の事好きなんじゃないかな』

康太と未音は幼稚園からの仲だが、あとの二人は高校で知り合った。

紗英と樹も別々の中学出身なので未音と話す時と紗英と話す時ではやはり違いはある。
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