the second 〜永遠の恋人〜
樹とは男同士なので遠慮はないが、紗英は唯一呼び捨てにしてないし、二人っきりになると話す事も無く妙に緊張した。

樹が紗英の事を好きなのかどうかは鈍感な康太にはイマイチ分からない。

でも二人は傍目に見ても良いカップルだった。

樹もこの長髪さえ切り落とせば、もっと良い男であろう。

『みーつけた!』

寝転がる康太達の視界に突然話題の紗英が入ってきた。本当に噂をすれば…である。

『樹君またサボってる。知らないよ留年しても』

笑いながら二人の間に腰を下ろした。

シャンプーだろうか、それとも香水だろうか甘酸っぱい良い匂いがする。

(こうやって見るとやっぱりイイ女だよなぁ)

飾らないボーイッシュな未音が好きな康太だが、よく見ると紗英は振り返るような美人だ。
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