the second 〜永遠の恋人〜
部屋の前まで来てもう一度時間を確認する。時計の針は約束の9時ちょうどを指していた。
(よし完璧!)
大きく深呼吸し、ドアに向かって営業用の笑顔を浮かべる。
昔から毎日の様に行っている儀式。
ノックしようと右手を差し出した途端、音も無くドアが開き紗耶香は差し出していた手を思わずひっこめた。
数十センチ開いた室内は薄暗く、明るい廊下の照明に慣れた瞳では、ぼんやりとしか中が見えない。
その半開きになったドアの向こう側に黒っぽいスーツのような物を着た男が立っているのに気付いた紗耶香は慌てて言葉を探した。
『あ、あの…電話で御指名頂いたリカですけど…時間あってますよね?』
営業用の通称で愛想笑いを浮かべる。紗耶香はこの薄暗い室内で帽子に大きなサングラスと異様な姿の男が、その黒いサングラスの奥にあるであろう鋭い視線で体を舐める様に見つめているのに身震いした。
(よし完璧!)
大きく深呼吸し、ドアに向かって営業用の笑顔を浮かべる。
昔から毎日の様に行っている儀式。
ノックしようと右手を差し出した途端、音も無くドアが開き紗耶香は差し出していた手を思わずひっこめた。
数十センチ開いた室内は薄暗く、明るい廊下の照明に慣れた瞳では、ぼんやりとしか中が見えない。
その半開きになったドアの向こう側に黒っぽいスーツのような物を着た男が立っているのに気付いた紗耶香は慌てて言葉を探した。
『あ、あの…電話で御指名頂いたリカですけど…時間あってますよね?』
営業用の通称で愛想笑いを浮かべる。紗耶香はこの薄暗い室内で帽子に大きなサングラスと異様な姿の男が、その黒いサングラスの奥にあるであろう鋭い視線で体を舐める様に見つめているのに身震いした。