the second 〜永遠の恋人〜
一歳年上で短大に通っていた紗耶香は尚人が2年生になると同時に卒業し郷里の和歌山に帰ってしまった。

それでも紗耶香は尚人を呼び出した。

和歌山から東京にいる尚人をまるで歩いて来れる距離かのように呼び出すのだ。

『ねえ、会いたいな。会いにきてほしいな…ダメ?』

尚人は何時呼び出されるかも分からない紗耶香の為に必死で金を貯めた。

毎日毎日バイトに明け暮れる。

東京から和歌山までは旅費だけで往復で3万円いるのだ。

しかも紗耶香からの連絡は時間を選ばない。

ある時は講義中、ある時はバイト中、そして深夜に明け方。

必然的に大学にも行かなくなるし、地元の長野にも寄り付かなくなる。
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