the second 〜永遠の恋人〜
『そうか…そんな事件が』

『ええ…事情聴取が終わった後、僕は行き先も無いので長野に帰ってきました。僕の人生は終わったも同然です。残りの人生なんておまけです』

沈痛に話す尚人を鬼頭は冷ややかに見下ろした。

『まあ、どういう風に思うのかは君の自由だよ。その事件を引きずって一生泣いて暮らせばいいさ、お母さん僕は疲れちゃったよってな』

『何が言いたいんです』

『おまけの人生ならおまけらしく自分一人で生きていきな。親に迷惑ばっかりかけやがって…自分一人じゃ死ぬ事だって出来ないお子様がよ』

『…』

どうしてこの中年男にここまで叱咤されなければならないのか悔しくて尚人は唇を噛んだ。
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