the second 〜永遠の恋人〜
やや強い口調で木下は泰明を遮った。

『門田さん、早くして下さいよ。僕達は門田さんみたいなエリートと違って外回りが忙しいんですから』

此処に居てくれ等と頼んでもいない同期の面々が冷笑しながら泰明を冷やかす。

『担保は…』

『担保は?』

『…これだけです』

その瞬間木下の顔から一瞬にして血の気が引くのが分かった。

取り囲む同僚達も言葉を失う。

『これだけって…ええっ!?何を言ってるんだ門田?貸付日の時価に換算しても全然足りないんだよ君!説明したまえ説明!』

『それはですね…協栄商会の債権をですね、裁判所に申し立ててありますので…』
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