the second 〜永遠の恋人〜

『馬鹿もん！倒産した会社がどれだけの資産を抱えていて、それでどれだけの負債を抱えていると思ってるんだ！お前は…お前は…』

額に血管を浮き立たせながら木下は泰明に掴みかかった。

『黙れこの高卒野郎！だからお前みたいな学歴の無い人間に大事な仕事を任せるのは嫌だったんだよ！お前なんか…お前なんか便所掃除でもしてりゃ良かったんだ！貴様のせいで俺の出世はどうなる！』

『た、助けてくれ、山根、おい三沢？』

取り囲む同僚に泰明は必死に懇願したが当人たちは困ったように両手を広げた。

『門田課長が御自分でやられた事ですからねえ、僕たち常人には思いも尽きませんよ、課長みたいに夜学なんか出てる人の考えはね』

その瞬間、何かが泰明の中で切れてしまった。