the second 〜永遠の恋人〜
『冗談じゃない!未音が警察に自首したら俺はどうなるんだ?俺の人生も終わりじゃないか!』

それを聞いて未音は黙り込んでしまった。

確かに弓暢の言う通りである。

将来を嘱望された32才の男が、自分の教え子と不倫関係を持ち、その不倫相手が自分の妻を殺害したとなれば、刑事責任は無くとも社会からは抹殺されるだろう。

勿論大学に残れる筈も無い。

残りの長い人生を何年か後に出所した未音とつつましく、その日暮らしをしろと言うのか?

『じゃあ…じゃあどうしたらいい?先生が1番困らないように…私は死んでもいいから。先生には迷惑かけたくない』

『死んでもいいなんて軽々しく言うなよ。俺だって未音と一緒にいたい。未音が好きだよ』

未音の目から今日何度目かの涙がこぼれた。

『死体を隠そう』

『えっ!?』
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