the second 〜永遠の恋人〜
慶子はかなり小柄な部類に入るが、それでも硬直が始まりかけているので一苦労である。

あっという間に二人とも汗だくになりながら30分以上かかって慶子の体はトランクに納められた。

見るからに窮屈そうな体勢で腕も反対方向に曲がっている。

陥没した顔が向こうを向いているのだけが、せめてもの救いだった。

(ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…)

呪文のように必死で念じる。

『おい、今から埋めにいくぞ。シャワーを浴びて血を洗い流せ』

弓暢に言われて初めて自分が酷い恰好なのに気が付いた。

部屋に置いてある鏡を見ると髪はボサボサで右手は血で真っ赤、胸にも慶子の返り血だろうか茶色に変色した染みがこびりついている。

それを見た未音は再び吐き気を催し口を押さえた。

『大丈夫か?』
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