the second 〜永遠の恋人〜
コインランドリーが一台回っていてギョッとするが人影は見当たらなかった。

慎重に音を立てずに裏口から外に出る。

幅1メートルあるか無いかの裏通りはマンションの表からは想像出来ない程の別世界だった。

確かにマンションの前に立つと背景に小高い丘が見えるので当たり前だが、こうして裏に回ると、そのあまりの近さにびっくりする。

そこから続いている石段を昇るのが大変だった。

人間というのはどうしてこんなにも重いのか。

二人がかりでも1段昇ってはため息をつく。

早くしなくては…誰かに見つかればおしまいなのに…と分かっていても、弓暢も未音も体が言う事を聞いてくれなかった。

石段30近くを上りそこから脇にそれる。

高さ的には未音が住んでいる階と同じぐらいであった。
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