the second 〜永遠の恋人〜
その後、二人は疲れた体にムチを打って全力で掘った土を元に戻した。

最後に足で何度も踏み固める。

慶子の上にかぶせた土を踏む度に未音は中から手が出てきて足をつかまれそうで恐ろしかった。

『もう…もういいだろう。そろそろ帰らないと』

かすれ声で弓暢が呟く。

時計の針は朝の5時半になろうかとしていた。

未音も無言で頷く。

空になったトランクを弓暢に持ってもらい明るくなってきた石段を誰にも見つからないように慎重に降りた。

運がいいのか、それとも死神に魅入られているのか、行も帰りも未音達は誰にも会う事なく、部屋まで帰って来る事が出来た。

『疲れたな』

『…うん』

それっきり会話が続かない。
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