the second 〜永遠の恋人〜
『俺は午後から講義があるからマンションに戻る。未音は一人で大丈夫か?何なら一緒に来るか?』

弓暢の誘いに未音は少し考えたが、結局一人残る事にした。

これが未だ深夜だったら弓暢について行っただろうが明るくなれば恐怖も少しは紛れる。

それに荒れ果てた部屋を掃除したかったし、何よりも眠りたかった。

『そうか…じゃあ行くぞ。何かあったらすぐに携帯を鳴らせ。いいな』

『うん、わかった』

立ち上がるのも辛そうな表情で弓暢は玄関へと向かった。

例のトランクは靴箱の隣に置いたままだ。

『落ち着いたら棄ててくる。それまでは置いておくしかないな』

靴をはく弓暢の背中に未音は思わず抱きついた。
< 182 / 262 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop