the second 〜永遠の恋人〜
『はい光栄です』

マンションまでの道のりを樹と一緒に歩く。

マンションがもっと遠くにあれば良いのに…と思いながら紗英は樹の横顔を盗み見した。

少しアルコールが入った為かほんのり上気した横顔は真剣そのもので、紗英は自分が樹の事を好きになろうとしている事に気が付いた。

『樹君の横顔って初めて見た。何時も髪がかかっていたから』

『そうだったかな?切っちゃうと長かった頃の事は忘れちゃうよ…どう?男らしい横顔に惚れそう?』

『…』

思わずドキッとして返事に詰まる。

『うん、好きになっちゃうかも…でも分かんないよ。私、今は酔ってるから…明日になったら忘れてるかもしれないし、明日になっても好きかもしれない』
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