the second 〜永遠の恋人〜
『うそ…』

そのまま10分以上も立ち尽くす。

明らかに空ではない様子に未音は震えた。

恐る恐るロックを外す。

左右2ヶ所とセンターの合計3つある金属製バックルを外した未音は震える手でケースを開けた。

何故だか分からないが開ける前から未音には予感があった。

あの重さ

微かに漂う血の匂い

そして土の匂い

そこには泥だらけになった慶子がいた。

首だけを不親切に捩じ曲げて未音を見つめている。

右目は陥没して暗い穴が開いていた。

口が僅かに開いていて何か話しかけてきそうだ。

唇を噛み締めた未音は思いっきり蓋を閉めた。

慶子の右腕が挟まれて跳ね上がる。

それを足で必死に押し込むが上手く行かない。

もう一度ふたを開けると、引っかかっていた右腕が外れて未音の手に垂れ下がった。
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