the second 〜永遠の恋人〜

ぎこちない足取りで店内に入る。

こんな深夜にもかかわらず４、５人の若者が立ち読みをしていた。

弓暢も仕方なく一冊の雑誌を手に取る。

読む振りをしながらガラス越しに検問を見てみると、１台の車が止められ何やら警官が覗き込んでいた。

顔を近づけている所を見ると飲酒取締なのか…弓暢はベッドに入る前にウイスキーを数杯流し込んだ事を思い出した。

あれは確か１１時頃だったから４時間が経っている。

４時間でウイスキーが抜けるのかどうか弓暢には分からなかったが酔っているという自覚は無かった。

その時である

弓暢には確かにそう見えたのだ。

隣で漫画雑誌を読んでいた長髪の男がこちらを振り返った瞬間、その男の顔が慶子に見えた。

無表情に弓暢を見つめる慶子。