the second 〜永遠の恋人〜
弓暢は必死にナイフの包装をはがした。刃渡り10センチ程の小さな刃物が姿をあらわし周りにいた全員が大笑いする。

『畜生…畜生…』

うわごとの様に呟き身構える。

『さあ来い慶子!もう一回ぶっ殺してやる』

『何言ってるんだこのオヤジ。慶子だって、おい真人、お前のこと慶子だってよ』

大男の連れが腹を抱えて笑う。

真人と呼ばれた男は益々眉間に血管を立たせた。

『頭おかしいんじゃねえのか、おい!』

そんな言葉も錯乱した弓暢にはもはや聞こえなかった。

ただただ怖かった。早くこの状況にケリを付けて家に帰りたかった。

もう未音の事なんてどうでも良かった。

『慶子!』
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