the second 〜永遠の恋人〜
好きとは言っても子供の頃から知っているので男女の気持ちにはなれない。

ただふとした仕草に康太の中の男を感じてドキドキする事は高校生ぐらいの時からたまにあった。

未音の気持ちに反して康太は美しく成長した未音にほのかな好意を持っているのだが、未音は全く気付いてない。例え気付いたとしても未音には康太の気持ちを受け入れる事が出来ない理由があった。

『警察?嫌だなあ警察なんて…行きたくないよぉ』

今、話題に上っている未音への手紙というのが最近の頭痛の原因である。

大学入学と共に両親を説得して大学の近くにマンションを借りた未音だったが、一月に一度ぐらいのペースで不審な手紙が郵便受けに放り込まれるようになった。

勿論差出人名など無く、ただぶっきらぼうな字で『藍原未音』とだけ書かれた封筒の中身は決まって、数日中の未音の行動を克明に記録した物である。
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