the second 〜永遠の恋人〜
その時、電飾を付けたトラックが歩道に立ち尽くす3人の横を猛スピードでかけていった。

通り過ぎざまに大きなクラクションを鳴らしていく。

康太の方へ足を向けていた未音はその音に体を大きく震わせ、我に帰ったように体を硬直させた。

反射的に康太は未音のそばへ走り出そうとする。

『来ないで!』

康太の動きを未音が制した。

腹の底から絞り出すような哀しい声に康太も体が固まる。

『未音…』

『ごめんね…やっぱり駄目』

『駄目って…未音?』

未音は顔をくしゃくしゃにして精一杯の笑顔を作った。

泣いているのか笑っているのか分からない表情が哀しい。
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