the second 〜永遠の恋人〜
『駄目よ。どう考えても駄目…もう康太の知ってる私じゃないの』

『じゃあ教えてくれよ!俺の知らない未音が居るんだったらもっと沢山教えてくれよ。これからどんどん知れば良いじゃないか』

康太も必死に説得を続けた。さっきから未音がゆっくりと橋の手すりに体を移動させているのが分かったからである。

『もう良いよ…康太が居てくれて楽しかった。康太が居なかったら、きっとツマンナイ人生だったと思う』

『俺だって未音にどれだけ助けられたか…未音が居たから何だって頑張れたんじゃないか?』

そんな言葉に未音は悲しげに首を振った。

次の瞬間驚く程の身のこなしで手すりを飛び越える。

『未音!』

もはや手すりの外側、隙間10センチ余りに未音は全体重をかけていた。

この位置だと下は河川敷だ。数10メートルの高さから河原に叩きつけられれば命は間違いなく消えて無くなるだろう。
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