the second 〜永遠の恋人〜
『でも康太君の言う通りよ未音、あんた結構可愛い顔してんだから、いきなり襲われでもしたら、どうやって康太君に電話するのよ』

紗英の言う通り未音に好意を抱いている男は康太だけではなく学内に多数存在していた。

およそオシャレとは縁の無い実用性を重視したファッションに極度の近視による銀縁眼鏡が未音を包んでいるが、その奥に隠された愛らしい表情に気付くと男は皆夢中になる。

ただ美人かどうかという点では親友の宮崎紗英の方が遥かに上だった。

未音とは違い高校の時からオシャレで流行に敏感、美しい長髪をなびかせる長身の紗英と未音が並んで歩けば、声を掛けられるのは紗英ばかりだった。

『だって…だって警察に言ったりしてさあ、事情聴取とかで来週のスキー行けなくなっちゃうかもしれないでしょ?紗英達がどうしてもって言うんならスキー行ってからにする』
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