the second 〜永遠の恋人〜
県警からの帰り道、慣れない取調べによる緊張と疲労で尚人は憔悴しきっていた。

実際に座っていたのは2時間程だが、数日間に渡って拘束されたような虚脱感がある。

最初は強がっていた尚人も紗耶香の話をしてからは、精神の支えが外れたかのように全てを話した。

実際、紗耶香の事件は鬼頭の興味を引く物ではなく、まして尚人との関係等は聞いているのさえ退屈であったに違いない筈だが、それでも鬼頭は熱心にメモを取った。

苦しい胸の内を全て吐露した尚人は脱力感と、これから何をしていいのか分からない絶望感に覆われながらペンションへの道を歩いた。

紗耶香の死に直面した尚人は行く当てもなく、故郷に逃げ帰ったのだ。

彼女を失った今となっては、何を支えに日々を送ればいいのか…。
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