the second 〜永遠の恋人〜
…まるで人間の記憶じゃない。

この記憶を抱えて生きて行く事なんてとうてい出来ない。

ねえ分かってくれるでしょ?

私も嘘であって欲しいって思ったわ。でも…でもベランダの大きな花壇から血にまみれた黒いスーツやサングラス、色々なナイフが出てきたの。

私は病気かもしれない。

ずっと知らなかったのに…知らないままが良かったのに。

高木ケンジになった私は未音じゃない。潜在意識の未音が高木ケンジの行動を見ていたのかもしれないけど…だから未音のままでも思い出しちゃったのかな。

思い出した瞬間、私の中から高木ケンジが出てきそうになった。

凄く苦しかった。

自分の中で二つの人格が争っているの。

今こうやって手紙を書いている最中だって、いつ彼が現れるか…。
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