the second 〜永遠の恋人〜
スキーに行けなくなるかも…と言われると他の三人も辛かった。

未音、紗英、康太、樹の四人は大学生活というよりもシーズンに複数回スキーに行く為に他の期間を過ごしている…と言っても過言ではない。

長髪が自慢の樹はろくに講義にも出席せずバイトに明け暮れている。稼いだ資金を冬に注ぎ込むのだ。

未音なんかはウエアにはこだわらず未だ高校の時に購入した白いワンピース型を着ているが、紗英はそうも行かず毎年最新モデルを購入している。

しかも現地で同じ人に会ったら嫌だからと、毎回違うウエアを用意する徹底ぶりだ。

結局スキーから帰ってから次に例の手紙が来たら警察に届けるという事で話がついて四人は食堂を出た。

温暖な南紀に雪が舞う事なんか滅多に無い。

最後に降ったのは何年前だったか…だから南紀の住民にとって雪が降るという事自体が一つのイベントのような物である。
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