the second 〜永遠の恋人〜
途中涙で文字が滲んだ藍原未音の遺書はここで終わっていた。

精神の動揺が書体に現れ何箇所か読み辛い所がある。

あれから半年以上たった今でも書かれてある内容が真実なのか康太には分からなかった。

あまりにも驚愕の事実。自分でさえそうなのだから、未音本人はどれほど衝撃を受けただろう。

しかし今となっては未音の気持ちも真実も計り知る事は出来ない。

もう未音は居ないのだ。

紗英も居ない。樹には遺書の存在を話さなかった。

鬼頭は何か感じている様子だったが証拠が無い以上、彼は動かない刑事らしい。

あの後、康太は警察によって立入禁止になる前の未音の部屋に入り、ベランダの証拠品を処分した。

罪は罪として憎まなければならない。だが未音はもう十分に償ったのではないか?
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