the second 〜永遠の恋人〜
こんな未音を誰が見捨てる事が出来るというのだ。
『康太、お花咲いてる』

『そうだね、綺麗だね』
未音は感受性が強く何を見ても感動していた。

車椅子が必要な肉体はどんどんと衰えていくが、感受性は確かに育っている。

(絶対に治るさ)

未音の両親は泣きながら康太に詫び、友人達も同情の視線を送った。

でも康太は全く大変ではなかった。むしろ幸せだったし充実していた。

未音は自分だけを頼りにしてくれているのだ。

康太が病室に入った時の輝く笑顔、何時も自分だけに向けられる、その瞳。

それだけで胸が一杯になり、他に望むものは何も無かった。
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