the second 〜永遠の恋人〜

『そうですか…大牟田…教授は天涯孤独な方ですから、そうでもしないと遺体を引き取りに来る方もいらっしゃらなかったんだと思います』

『そのリストの１番上に奥さん…北詰ミサ子さんの名前があった』

『そうですか…』

消え入りそうな声でミサは呟いた。病院から連絡は来たが、まさか自分の名前がリストの１番に書かれてあったとは… 今更ながら昔の男の哀れな半生を思いミサ子は不憫になった。

確かにミサ子と大牟田は教授と生徒という垣根を越えた仲だった。

ミサ子が卒業後すぐに地元の平凡な男と結婚し男児を設けた後も、何度か理由をつけて大阪まで逢いに行っている。

息子が生まれてすぐに夫が雪下ろし中に転落死したときも色々と相談に乗ってもらったし、このペンション『セカンド』を建設する時にはかなりの出資もしてもらった。