the second 〜永遠の恋人〜
まだ銀行内では発覚していないが泰明には巨額の不良債権があった。

極貧の家庭に育ち夜学を出た後、今の銀行に滑り込んだ泰明が、のし上がる為に裏社会との付き合いは裂けて通れぬ道だった。

実際バブルの頃は彼らも羽振りがよく、融資した分を彼らが稼いだ金で回収、洗浄する…といった手段が有効に働いた。

泰明にとっても確実に回収出来たし、相手側もマネーロンダリングというメリットがあったのだ。

勿論、契約書を交わし正規の手続きを踏まえた上での融資だが、担保物件は二束三文の土地等である。

当時はそんな物でも高値で売れたのだ。

貸付利率も大きく行内でも常にトップの成績を収めた泰明は瞬く間に大卒のエリート達を抜き去った。
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